長期安定性評価
不溶化剤カテナチオを用いた処理土壌の長期安定性評価について
不溶化剤カテナチオは無機成分で構成されており、耐光性、耐候性などの安定性をもっています。
処理土壌は、覆土して暴露を防ぐことで長期的安定を保つことができます。
下記に不溶化剤カテナチオN、不溶化剤カテナチオCを用いた処理汚染土の長期安定性評価試験例を示します。
下記の2ケースは、実際の処理工事における評価例です。
ケース1 自然由来汚染土
不溶化剤カテナチオNで処理したヒ素汚染土の長期安定性評価を社団法人土壌環境センター 硫酸、消石灰添加試験 GEPC・TS-02-S1(平成20年3月)により実施した結果を下記に示します。
対象汚染土のヒ素溶出量は環境基準値の16~23倍を示していました。
不溶化剤カテナチオNの添加により、長期安定性評価試験でも、安定して溶出量を抑制することができました。
表1 汚染土の溶出量
土壌No | pH | 未処理ヒ素溶出量[mg/L] |
1 | 10.1 | 0.206 |
2 | 10.3 | 0.234 |
表2 不溶化試験結果
土壌No |
カテナチオN 添加量[wt%] |
溶出試験方法 |
pH |
ヒ素溶出量[mg/L] |
1 | 3.0 | 環境法告示46号 | 8.0 | < 0.001 |
硫酸添加 | 7.2 | < 0.001 | ||
消石灰添加 | 8.9 | < 0.001 | ||
2 | 3.0 | 環境法告示46号 | 8.1 | < 0.001 |
硫酸添加 | 7.1 | < 0.001 | ||
消石灰添加 | 8.9 | < 0.001 |
ケース2 工業用地汚染土
対象の汚染土は、ヒ素と水銀を含み、環境基準値の20-30倍の溶出量を生ずるものでした。
下記に不溶化剤カテナチオCで処理した重金属汚染土壌の長期安定性評価試験結果を示します。
試験の結果、いずれも溶出量を抑制する良好な結果を示しました。
表3工業用地汚染土壌の不溶化試験結果
項目 | pH | 溶出量[mg/L] |
未処理溶出(環境省告示46号) |
8.0 |
Hg : 0.015mg/L As: 0.198mg/L |
カテナチオC 添加2.0wt%(環境省告示46号) |
9.8 |
Hg < 0.0005mg/L As: <0.001mg/L |
硫酸添加溶出試験 |
9.1 |
Hg < 0.0005mg/L As: <0.001mg/L |
消石灰添加溶出試験 |
10.8 |
Hg < 0.0005mg/L As: <0.001mg/L |