吸着層吸着剤
製品概要
製品名/吸着剤カテナチオAB
吸着剤カテナチオABは優れた性能をもつ無機系吸着剤です。本製品は各種有害物質に対して高い吸着性能をもち、自然由来汚染土処理用吸着剤として公共事業での採用実績が増加しています。
用 途
カテナチオABは自然由来汚染土等の処理工法である吸着層法に使用する材料です。
3種の製品を保有しており、ヒ素、フッ素、鉛、カドミウム、六価セレン、ホウ素等を含有する汚染土壌処理用の高性能吸着剤として使用頂くことができます。
吸着層工法のイメージ図を図1に示します。
この工法は北海道で生まれ、自然由来汚染土壌の経済的な処理方法として、全国の公共事業の汚染土対策として採用されています。
吸着層工法は、汚染土壌下部に吸着剤と細砂を混合したフィルター層(透水係数調整)を設けて、汚染土から溶出した有害物質が地盤に浸透、拡散しないように処理する汚染土の原位置処理工法です。
汚染土の上部、側面は、不透水性の舗装、粘土による覆土で覆います。
図1 吸着層工法イメージ
図2 吸着剤カテナチオAB写真
特 徴
成分の異なる3種の吸着剤製品を用意しております。様々な自然由来汚染土壌を経済的に処理することができます。
・製品名:カテナチオAB
自然由来汚染土の最も一般的な吸着層用吸着剤製品です。
ヒ素に対して高い吸着性能(3mgAs/g 以上)を示します。
吸着性能に優れているため、多くの納入実績があります。
・製品名:カテナチオABe
ホウ素の処理に対応できる吸着剤です。
ホウ素、ヒ素、フッ素、鉛等を含む複合汚染土にも対応ができます。
・製品名:カテナチオABL
6価セレンの吸着処理が可能です。
その他、フッ素、ヒ素、ホウ素等の有害物質の処理にも用いることができます。
(詳細は「粒状HT吸着剤」のページを参照ください。)
製品仕様
<吸着層用吸着剤製品ラインナップ>
・製品名:カテナチオAB
ヒ素、鉛等処理用吸着剤
主成分: SiO2, Al2O3 ,Fe2O3, CaO
・製品名:カテナチオABe
ホウ素、ヒ素、鉛、フッ素、セレン処理用吸着剤
主成分: SiO2, Al2O3, CaO, Fe2O3
・製品名:カテナチオABL
6価セレン、フッ素、ヒ素等処理用吸着剤
主成分: Al2O3, MgO(ハイドロタルサイト)
(詳細は「粒状HT吸着剤」のページを参照ください。)
梱包
全ての製品は1000Lフレキシブルコンテナで梱包します。
有害物質処理メカニズム
・製品名:カテナチオAB
ヒ素は水酸化鉄により共沈、吸着されます。
カテナチオABはこの処理メカニズムより、製品の経済性と高い吸着性能を実現します。
Fe(OH)3 + H3AsO4 → Fe(OH)3・H3AsO4↓
・製品名:カテナチオAB-e
ホウ素、フッ素はエトリンガイトに化学吸着されます。
エトリンガイト : 3CaO・Al2O3・3CaSO4・32H2O
図3~図4にカテナチオAB、カテナチオABeの吸着性能を示しました。
図3はカテナチオABの高いヒ素吸着性能を示しています。
また、図4はカテナチオABeの優れたホウ素吸着性能を示しています。
図3 カテナチオABによるヒ素吸着等温線図
図4 カテナチオABeによるホウ素吸着等温線図
使用方法
当社製品は、粒径範囲100~2000μmのドライな粉体製品であるため、機械施工による混合作業が容易で、作業に伴う粉塵発生が少ない特徴をもっています。
母材(透水係数10-3~10-4cm/Sの細粒土)に1m3あたり30~100kgの吸着剤を十分混合した後、原地盤の上に敷ならし・転圧して吸着層を設置します。
吸着層の代表的な施工法としては下記の2種があります。
①自走式土質改良機で母材と吸着剤を混合 → 原地盤に敷ならし・転圧
②母材を原地盤に敷ならし→吸着剤の散布 → スタビライザー等による混合・転圧
吸着剤混合の均一性は施工後、吸着試験により確認を行います。
納入実績
北海道、東北、中部、関西、中国、九州、日本国内各地において多数の納入実績があります。
図4 吸着層施工状況写真(九州地区高速道路工事)
図5 吸着層施工状況写真(関西地区道路工事)